【両方の立場から解説】人材紹介の裏側と本音を経験者が語る

人材紹介を“両方の立場”で経験して思うこと

こんにちは、蒼檸檬です。

今回は「人材紹介サービス」について、私自身の実体験を交えながらお話ししたいと思います。

転職を考える方にとって人材紹介サービスは心強い味方になる一方で、「本当に信用できるの?」「無理に転職をすすめられそう…」といった不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

私はこれまで、求職者として人材紹介サービスを利用した経験と、エージェントとして働いた経験の“両方”があります。その両面を経験することで見えてきた本音やリアルがあります。

本記事では、

  • 利用者として感じたメリット・デメリット
  • エージェントとして見えた裏側
  • 両方を経験してわかった「信頼できる転職支援」の在り方

について、率直に綴っていきます。

求職者として人材紹介サービスを使ってみて感じたこと

初めての転職活動、不安からのスタート

私が初めて人材紹介サービスを利用したのは、新卒で入った会社から初めて転職を考えたときでした。 「転職活動ってどうやって進めるの?」という不安もあり、CMでよく見る大手のエージェントに何となく登録したのがきっかけです。

メリット:一人では出会えなかった求人にたどり着けた

最初に感じたメリットは、自分では探せない求人を紹介してもらえる点でした。

非公開求人や企業名が伏せられている案件など、転職サイトでは出会えない情報にアクセスできるのは大きな魅力です。

また、自分では関心のなかった業界や職種でも、「こんな会社もあるんだ」と新たな選択肢が広がる体験もありました。

さらに、職務経歴書の添削や面接対策のサポートもとても心強かったです。自分の強みを客観的に言語化してもらえることで、自信を持って面接に臨むことができました。

デメリット:担当者の質にばらつきがある

一方で、すべてが順調だったわけではありません。

複数のエージェントとやり取りする中で、「ちょっと合わないな…」と感じる担当者もいました。

例えば、

  • 希望とは異なる求人ばかりを紹介してくる
  • 転職を急かすような態度を取られる

など、「営業ノルマ優先なのでは?」と感じる対応も正直ありました。

この経験から学んだのは、人材紹介サービスの良し悪しは“人”によって決まるということ。

だからこそ、複数社を試してみる、自分に合った担当者を見極める、情報収集を終えれば自己応募に切り替えてみるなど、主体的な姿勢が大切だと思います。

エージェントとして働いてわかった、人材紹介のリアル

両面型エージェントの苦悩:双方の“理想”に板挟み

私は企業と求職者の両方を担当する「両面型」のエージェントでした。

企業は「こんな人が欲しい」と理想を語り、求職者も「こんな会社に入りたい」と希望を伝えてきます。

ですが、両者の希望が100%一致することはほとんどありません

「こんな人材いるかよ…」と思うような求人
「そんな会社あったら自分が入りたいわ…」という求職者の希望

こうした中で、妥協点を探りながらベストなマッチングを探すのが私たちエージェントの役割です。

また、入社後の「こんなはずじゃなかった」を防ぐために、条件だけでなく価値観やキャリアビジョンも丁寧にヒアリングすることを大切にしていました。

「成果報酬型」のビジネスモデルが生むジレンマ

人材紹介は、求職者が入社して初めて報酬が発生する成果報酬型ビジネスです。

そのため、数字のプレッシャーが常にあります。

現実として、無理に選考を進めたり、内定を急かすようなエージェントが存在するのも事実です。

でも私は常に、

「この人にとって本当にこの転職が最適か?」

を自問しながら向き合っていました。

一番大事なのは「聞く力」

エージェントとして最も大事だと感じたのは、「求人知識」や「営業力」ではなく、“聞く力”でした。

  • なぜ転職を考えているのか?
  • どんな働き方なら満足できるのか?
  • 将来的にどんなキャリアを描きたいのか?

こうした本音をじっくり聞くことで、初めて本当にマッチする求人を提案できるのです。

両方の立場を経験して見えた「本当にいい転職」とは?

求職者としても、エージェントとしても働いた私だからこそ明確に言えるのは、 「いい転職の鍵は“信頼関係”にある」ということです。

「相性のいいエージェント」に出会えるかが大事

どれだけ優秀なエージェントでも、自分と相性が悪ければ意味がありません。

  • 自分の話をしっかり聞いてくれるか
  • 転職理由を理解してくれているか
  • 無理に進めず、寄り添ってくれるか

このような視点で、「この人となら信頼して転職活動ができる」と思える担当者を選ぶことが、成功への近道です。

転職活動は“二人三脚”

中には、「履歴書を書けないから代わりに書いてください」と丸投げしてくる方もいます。

もちろん対応しますが、エージェントとしてもこの人に企業を紹介しても大丈夫だろうかという思いが遮ることも事実です。本来は本人の意思と行動があってこその転職です。

エージェントに任せっきりではなく、パートナーとして一緒に進めていく感覚を持ってほしいと思います。

これから人材紹介サービスを使う方・目指す方へ

求職者へ:「エージェントは選んでいい」

人材紹介に登録したからといって、提案をすべて受け入れる必要はありません。

「この担当、合わないかも」と思ったら遠慮せず変更してOK。

以下のようなポイントでエージェントを見極めてください。

  • レスポンスが早い
  • 丁寧に話を聞いてくれる
  • 条件だけでなく価値観にも寄り添ってくれる

エージェントを目指す人へ:「数字だけを追わない覚悟を」

人材紹介の仕事は、ただ求人を紹介するだけではありません。

求職者のキャリアや人生に深く関わる、非常に責任のある仕事です。

時には、内定辞退されて数字がゼロになることもあります。

でも私は、「それがその人にとって最善の選択なら良かった」と思えるエージェントでありたいと考えています。

人材紹介は“人”をつなぐ仕事。だからこそ、大切にしたいこと

求職者として、そしてエージェントとして―― 人材紹介サービスの「外側」と「内側」の両方を経験する中で、私はこう確信するようになりました。

転職というものの本質は、条件や企業名ではなく、“人と人との信頼関係”にある

紹介する側も、される側も、不安や期待を抱えているからこそ、 お互いに誠実に向き合うことが何より大切です。

転職という大きな節目には、自分自身の意思、そして信頼できるパートナーの存在が不可欠です。

このコラムが、

  • これから人材紹介サービスを利用しようとしている方
  • 人材紹介業界に興味のある方
  • エージェントとして働くことを目指す方

にとって、少しでもヒントや気づきとなれば嬉しいです。

転職も、キャリアも、そして人生も―― 「人と人をどうつなぐか」で、未来は変わる。

だからこそ、私はこれからも、仕事でもプライベートでも「人とのつながり」を大切にしていきたいと思います。

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